「化石の森（1973）」の解説
現代の青春と、母と子の血の問題をとりあげながら、人間の心の中の神と獣性を追求する。原作は石原慎太郎の同名小説。脚本は「陽は沈み陽は昇る」の山田信夫、監督は「札幌オリンピック」の篠田正浩、撮影は「無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ」の岡崎宏三がそれぞれ担当。
緋本治夫25歳。大都会のある大学病院で病理学を専攻しているインターンである。病院では、塩見菊江の一人息子、和彦の脳手術を、宮地教授が行おうとしていた。治夫は、この医学の権威を背負っているような尊大な宮地に対して憤りを覚えていた。ある日、治夫は高校で同級だった井沢英子と再会した。英子は都心の地下街にある高級理髪店でマニキュア・ガールをしている。治夫はその店のマスターが英子と関係があるのを感じ、英子をマスターから奪う決心をした。夜、二人は酒を飲み、英子のアパートで抱きあった。治夫は、英子の成熟しきった肉体に陶酔し、昂まりゆく行為の中で、眠っていた獣性が目覚めてきた……。
映画「化石の森」
監督：篠田正浩
原作：石原慎太郎
出演：萩原健一 二宮さよ子 八木昌子 杉村春子 田中明夫 浜田寅彦 水島弘 岩下志麻 堀内正美 日下武史 亀田秀紀 坂上和子 岸田森 龍岡晋 桂木美加 川口節子 佐々木槙子 前原久影 山本聡 木下陽夫 細井利雄 石矢博 勝部義夫
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